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日本貿易振興会(ジェトロ) |
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| 乗用車は供給過剰だが中・東欧では設備拡張も−欧州の自動車産業(その1)− 欧州自動車産業の動向を,2回に分け報告する。今回は西欧自動車市場の概 況について取り上げる。 -------------------------------------------------------------------------- 西欧18ヵ国(EU15ヵ国,スイス,ノルウェー,アイスランド)の2001年の 乗用車市場は,新車登録数が史上2番目の1,485万台を記録した。しかし2002年 に入ってから,毎月の登録台数は軒並み,前年同月比で落ち込んでいる。4月 (1.2%増)と9月(0.9%増)だけは前年同月比で増えているが,1〜9月の 累計の速報(2002年10月15日発表)では,2001年の1,159万台から2002年は 1,116万台へと,3.7%減の市場縮小となった。 <BMWは大幅な販売台数増> 特にイタリアでは前年同期の190万台から170万台へ10.7%減と,2ケタ台の 減少で,スペイン(8.4%減)やポルトガル(8.9%減)も大幅に縮小した。ス イス(7.1%減),オランダ(6.8%減),オーストリア(6.9%減),ギリシァ (5.0%減),アイルランド(5.2%減)でもかなり落ち込んでいる。欧州最大 の市場であるドイツは2.6%減の249万台,フランスは4.7%減の163万台だった。 英国は5.1%増の206万台となった。デンマーク(15.9%増),フィンランド (6.9%増),スウェーデン(3.1%増),ルクセンブルク(3.0%増)でも伸び ているが,これら5ヵ国を合わせても,増加分は12万5,000台足らずで,イタリ ア一国分の落ち込みも補えない。 しかし速報では,8月に前年同月比17.7%減だったフランスが,9月には0.2 %増と増加に転じており,他の国でも落ち込み幅は縮小している。西欧市場全 体でみると,1〜6月期は前年同期比で4.5%減の縮小だったが,7〜9月期に は1.8%減と落ち込み幅が小さくなっている。9月は0.9%増と上向きに転じた。 市場縮小の中で,2002年1〜9月期に新車登録台数を増やしたメーカーはド イツのBMW(19.5%増)とダイムラークライスラー(2.6%増),フランスの PSA(1.2%増),日本のホンダ(16.2%増),トヨタ(14.0%増),スズキ (3.3%増)だ。フォルクスワーゲン(VW)・グループではアウディ(3.3% 増)が,フォードグループではジャガー(36.4%増)とボルボ(2.5%増)が台 数を増やしている。 販売台数を大幅に落としたのがフィアットグループで,18.2%の減少だった。 フィアットは深刻な経営危機に陥っている。ゼネラル・モーターズ(GM)グ ループはスズキを除き,すべて減少した。なかでもオペルは,13.6%減と大幅 に落ち込んだ。VWグループでもアウディ以外は,落ち込みが大きい。 <生産設備は過剰傾向> 2001年には世界中で,5,500万台の乗用車が販売された。今後数年間,需要が これを大きく上回る可能性は低い。 生産能力は西欧,北米,日本に偏っており,これらの国・地域では過剰設備 となっている。GMは北米で年間80万台分,GMのドイツ子会社,オペルは年 間35万台分の過剰設備を抱えている。フォードも北米で年間100万台分の生産能 力が過剰で,三菱自動車,フィアットの過剰設備もそれぞれ年間30万台分と なっている。 クライスラーや日産の業績回復は,こうした過剰設備の廃棄によって達成さ れている。しかし過剰設備を抱える西欧,北米,日本で新車の需要が低迷して いるのに対して,日本を除くアジアと東欧では今後,急速な需要の伸びが期待 される。 過剰設備が工場閉鎖などで縮小される一方,車種や地域によっては,設備を 拡張しているメーカーもある。フォード子会社のボルボとジャガーは,合わせ て年間15万台分の設備拡張を欧州で行っているし,GMも大宇を傘下に入れる ことによって,韓国や東欧での生産能力を拡大する。 ダイムラークライスラーのメルセデス部門は,ドイツ国内や米国で10万台の 設備拡張を行っているほか,三菱自動車と共同でドイツのボンに,年間20万台 分のプラットフォームの設備を新設する。BMWはドイツ,米国,中国で合わ せて年間20万台の設備を新設・増強する。 VWグループもドイツと中国などで,合わせて20万台分の設備拡張を行って いる。日本の設備を縮小しているトヨタも,PSAと共同でチェコに年間30万 台分の工場を新設しており,現代自動車も欧州に10万台分の設備を新設する。 |